研修協力機関指導医からのメッセージ

研修医を受け入れる機会を持って

武藤一彦 (むとう小児科医院 院長)

平成20年3月

開業して20年が経過しました。アッと言う間の20年でしたが、医学生や研修医の実習診療所としても参加させていただき大変良かったと思っています。医学生は、ただ側で診療を見たり、時には典型的な咽頭や聴診を体験したり、生後間もない赤ちゃんを抱っこしてもらったり、午前中3時間の体験なので短時間で終わってしまいます。小児科に少しでも興味を持ってもらえたらうれしいです。
研修医の場合は、医師免許もあり、1週間なので小児科医としての院長とペアーになって手助けして頂く体験です。しかし、実習の時期により、外来患者の多い少ないがあるのでいろいろな形での手助けになります。インフルエンザ流行時には、迅速試験を1日中ということもあります。お腹の風邪が流行っているときには、点滴のお手伝い、または便のロタウイルス迅速試験とKKK(きつい、きたない、きけん)の仕事、結局は下働きです。小児科医の仕事は、未熟児から中学生と対象にする身体が小さいので、体力仕事とはあまり認識されていません。しかし、勤務医として重症な患者さんを受け持てば病院泊まり込みということもあるでしょう。診療所の医師としては、多数の軽症患者の中から、いかに早期に重症者を見つけるかが重要な仕事です。そういう意味で、開業医も決して油断の出来ない神経を使うきつい仕事です。しかしそれとは反対に、元気に回復した子どもの笑顔を見ることは何事にも代え難い喜びです。その雰囲気が研修医に伝えられたらお手伝いいただいた意義も大きいと思います。医師という仕事の重さと楽しさを、少しでも感じてもらえる貴重な1週間であることを願っています。