看護師特定行為研修センター

当センターの概要

これからの高齢化社会に向け、事前に作成された手順書により一定の診療の補助を行うことが出来る高度かつ専門的な知識と技術をもち、チーム医療の主軸となる役割を発揮していくことができる看護師を養成することを目的に、国は2014年に特定行為に係る看護師の研修制度を創設しました。公立松任石川中央病院は急性期病院ですが、当院を運営する白山石川医療企業団には、白山ろく(へき地)の医療を支える診療所や在宅医療のステーションがあります。また構成団体である白山市・野々市市・川北町は2次医療圏内において比較的医療資源が乏しい地域であり、当院は隣接する地域包括福祉支援センターの設置や看護学部の誘致など、この地域全体の医療を支えるための事業に取り組んできました。その中で、看護師の特定行為に係る研修において、指定研修施設となることにより、看護師の活躍の場が広がり、地域全体の医療の質の向上につながるような体制づくりに取り組みたいと考え、2017年に研修施設の認定を受け、同年10月より特定行為研修を開始しています。4期目に入った2021年4月には、これまで以上に特定行為研修を充実させていくため、当センターを設置しました。

センター長挨拶

公立松任石川中央病院では、2021年3月までに延べ8名の特定看護師が誕生し、院内外で活躍をしています。この研修を修了した看護師は、手順書によりタイムリーに診療の補助を行うことが可能となり、それによって看護のみならず医療の質の向上に繋がることが期待されています。この度、2021年4月に当センターを設置し、さらなる研修の充実化および研修生および特定看護師をサポートしていくこととなりました。何卒、本研修および特定看護師へのご理解・ご協力をお願い申し上げます。また、これからのキャリアアップを目指したい方や、地域医療で活躍したいと考えている方がおられましたら、公立松任石川中央病院の看護師特定行為研修に応募してください。われわれと一緒に頑張っていきましょう。

看護師特定行為研修センター長
外科部長 石井 要

特定行為研修制度について

本制度は、「2025年に向けて、さらなる在宅医療等の推進を図っていくためには、個別に熟練した看護師のみでは足りず、医師又は歯科医師の判断を待たずに、手順書により、一定の診療の補助(例えば脱水時の点滴(脱水の程度の判断と輸液による補正)など)を行う看護師を養成し、確保していく必要があります。このため、その行為を特定し、手順書によりそれを実施する場合の研修制度を創設し、その内容を標準化することにより、今後の在宅医療等を支えていく看護師を計画的に養成していくこと」(厚生労働省HPより一部抜粋)を目的としています。

基本理念

特定行為研修は、チーム医療のキーパーソンである看護師が、患者をはじめとする地域住民、 医師、歯科医師およびその他の医療関係者から期待される役割を十分に担うため、医療安全に配慮し、在宅を含むあらゆる医療現場において、高度な臨床実践能力を発揮できるよう、自己研鑽を継続する基盤を構築するものでなければならない。

教育目的

地域の中核病院として、少子高齢化社会におけるへき地を含めた地域医療、在宅医療、高度医療などあらゆる医療現場において安心と安全に配慮しつつ、特定行為に必要な専門的知識及び技術を教育し、地域医療の発展に寄与できる看護師を育成する。

教育目標

地域医療や高度医療の現場において、安心・安全に配慮しつつ、特定行為に必要な臨床判断を包括的に行う基本的能力、特定行為を適切なタイミングで安全に行う能力、チーム医療の中心となり多職種を尊重しつつ協働で問題解決できる能力、医学的視点と看護学的視点から新しい看護展開を行い標準化する能力を養う。

当院における研修体制および環境と特色

公立松任石川中央病院の研修体制は、各専門分野の指導医・専門医資格を有する医師や薬剤師、栄養士、看護協会認定看護師、特定行為研修を修了した特定看護師など、豊富な人材を揃え指導を行っております。
共通科目・区分別科目は、主にeラーニングを活用し、自宅や職場、公立松任石川中央病院にて受講していただきます。演習などは、研修生同士での日程調整も可能であり、効率的に学習が進められ、仕事との両立も可能となります。また、専用の研修室を有するなど充実した研修環境を整備し、その中で実習や演習が可能となっています。
研修修了後は、特定看護師としての活動をサポートし、継続的にフォローアップをしていく予定です。

特定行為とその流れについて

特定行為の流れ

※厚生労働省HPより抜粋

脱水症例に対する関わりのイメージ

※厚生労働省HPより抜粋

研修内容

腹腔ドレーン管理関連

 腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針の抜針を含む。)

栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連

 中心静脈カテーテルの抜去

栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連

 末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入

透析管理関連

 急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過器の操作及び管理

栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連

 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
 脱水症状に対する輸液による補正

感染に係る薬剤投与関連

 感染兆候がある者に対する薬剤の臨時の投与

当院にて研修を修了した特定看護師の紹介

公立松任石川中央病院

岩田 真帆(一期生※三期生区分追加)

所属:外来1 副看護師長
特定行為:中心静脈カテーテルの抜去※
     末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入※
     急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過器の操作及び管理
     持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
外来や救急外来に受診に来られた方の異常の早期発見、対処、重症化予防に努めます。また、重度の要介護状態となりましても、できる限り住み慣れた地域で療養することができるようにサポートしていきたいのでお気軽にご相談してくだされば幸です。よろしくお願いいたします。

長瀬 ゆか(一期生)

所属:血液浄化センター 透析看護認定看護師
特定行為:急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過器の操作及び管理
     持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
近年、慢性腎臓病で透析が必要となる患者さんの高齢化や、食事制限から「サルコペニア」「フレイル」になってしまうという問題も取りざたされています。適切な時期に看護という面からアプローチできるよう活動したいと考えています。

宇都 佳奈(二期生)

所属:血液浄化センター
特定行為:急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過器の操作及び管理
     持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
先輩のススメと、患者さんのためになればという思いから、特定行為を取得しました。今は、透析患者さんの栄養、透析条件の評価に力を入れています。今後は病棟、透析間の連携や他職種との協働で、患者さんにプラスになるよう働ければ嬉しいです。

樋口 陽子(二期生※三期生区分追加)

所属:外来2 副看護師長
特定行為:腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針の抜針を含む)
     中心静脈カテーテルの抜去※
     末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入※
     持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
特定行為ならではの患者に寄り添える看護とタイムリーな医療を提供したい。地域に貢献できる看護師を目指したいと考えております。「継続は力なり」で自己研鑽を継続し頑張ります。よろしくお願い致します。

牧本 泰子(三期生)

所属:5階西病棟
特定行為:持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
特定行為研修で学んだことを少しでも活用できるように頑張っていきます。

小西 充子(四期生)

所属:4階東病棟
特定行為:腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針の抜針を含む)
     持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
e-ラーニングや講義、演習を通して、自分の知識や技術を再確認し、さらに深めることができました。学んだことを患者様に活かすことができるように頑張ります。

遠藤 瑞穂(五期生)

所属:金城大学看護学部へ出向 皮膚排泄ケア認定看護師
特定行為:持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
近年、病院は疾患の治療、改善、指導を行うことを主とし、その後の療養は在宅となりました。「在宅」と言っても自宅から介護施設まで広範囲となります。そのような様々な「在宅」で、新たな知識を活かし、いかに自分らしく療養できるか共に考え、寄り添う看護を実践していきたいと思います。

小阪 昌代(六期生)

所属:3階西病棟 副看護師長
特定行為:中心静脈カテーテルの抜去
     持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
人を思い、人のために尽力できる「看護」という仕事に誇りを持っています。特定行為研修での学びは地域の皆様の医療・看護に貢献できると確信しております。今後も正確な観察、知識、技術の研鑽を重ね、安全で安心できる医療と看護を全力で提供したいと思います。

小笠原 佐緒里(六期生)

所属:2階東病棟 副看護師長 感染管理認定看護師
特定行為:持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
     感染徴候がある者に対する薬剤の臨時投与
抗菌薬適正使用に貢献したく、学びを活かし、患者さんはもちろん各部門スタッフとも情報交換し、感染対策や患者さんの体調を整えるお手伝いをしたいと思います。

公立つるぎ病院

嶋田 由美子(一期生)

所属:医療安全部副部長兼医療安全課感染対策室室長
   感染管理認定看護師
特定行為:持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
     感染徴候がある患者に対する薬剤の臨時投与
感染症対策・水分管理・栄養管理に携わり、患者さんの重症化を防止できるよう、そして、地域の方々が住み慣れた地域で安心・安全に過ごせるよう、地域医療・看護に従事していきたいと思っております。

西谷 久美子(三期生)

所属:外来室 副看護師長
特定行為:中心静脈カテーテルの抜去
     末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入
     持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
訪問診療に関わりタイムリーなケアの提供がしたい。退院後の患者の継続看護に繋ぐために関わりたい。将来はNST専門療法士を目指し、包括的に栄養管理に関われるようになりたい。まだまだ未熟ですが、日々精進し成長したいと思っております。

安田 理恵(五期生)

所属:血液浄化センター
特定行為:急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析
     濾過器の操作及び管理
     持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
患者さんが安心して地域で暮らしていけるよう、他職種と連携をとり、より良いケアを共に考えていきたいです。よろしくお願いします。

松本 薫(六期生)

所属:血液浄化センター
特定行為:持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
高齢患者の多い当院では低栄養や食欲低下の方が多く栄養管理が必要不可欠です。低栄養は日常生活動作低下やフレイル、サルコペニアを招き、生命予後にも影響します。研修で学んだ知識やアセスメント力を活かし、多職種で早期からの介入、個別性を考えた水分・栄養管理の提案ができるよう活動していきたいと思います。

吉野谷診療所

佐々木 清美(一期生)

所属:吉野谷診療所 看護師長
特定行為:持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
在宅療養を支援するためには医療や介護、保健、福祉など多職種との連携は不可欠です。 患者情報を共有するなどコミュニケーションをとり、医師不在時や時間外でもタイムリーに対応していきたい。病診連携を深めて患者ファーストの支援に努めていきたいと思います。特定看護師の存在を地域の人たちにもっとアピールし『地域のかかりつけ看護師』を目指しています。

能美訪問看護ステーション

原田 由紀子(四期生)

所属:能美訪問看護ステーション
特定行為:持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
特定行為研修で得た知識や判断力を生かし、異常の早期発見やタイムリーなケアの提供をしていきたい。また、患者・他職種・地域の架け橋になり、地域の在宅医療の向上に貢献していきたいと思います。

金沢循環器病院

林 香織(六期生)

所属:2階病棟HCU
特定行為:中心静脈カテーテルの抜去
     末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入
     持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
     脱水症状に対する輸液による補正
特定行為研修で学んだことを臨床の場で活用していきます。患者や医師、看護師などスタッフの誰もがメリットとなる活動をしていきます。

恵寿総合病院

川江 辰徳(六期生)※区分追加

所属:HCU 脳卒中看護認定看護師
特定行為:中心静脈カテーテルの抜去
     末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入
自施設修了:経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整
      侵襲的陽圧換気の設定の変更
      非侵襲的陽圧換気の設定の変更
      人工呼吸管理がなされている者に対する鎮痛藥の投与量の調整
      人工呼吸器からの離脱
      気管カニューレの交換
      直接動脈穿刺法による採血
      持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
                    脱水症状に対する輸液による補正
公立松任石川中央病院での特定行為研修の学びは大変貴重で、濃密な時間を過ごせ、自身のキャリアアップに大きく影響し、有益性があったと強く感じています。この学びを是非自施設で生かしていき、看護師特定行為研修修了者としての責務を果たしていきたいと思います。

看護師特定行為研修の募集について

  1. 研修区分

    • 腹腔ドレーン管理関連
    • 栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連
    • 栄養に係るカテーテル管理(末梢型中心静脈注射用カテーテル管理)関連
    • 透析管理関連
    • 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連
    • 感染に係る薬剤投与関連
  2. 研修期間

    令和5年11月6日~令和6年9月30日
    講義はe-ラーニング、演習・実習は午後1時~
  3. 募集期間

    令和5年9月25日~令和5年10月31日

    ※令和5年10月2日開始予定の共通科目から受講応募者がいなかったため、1カ月遅れの11月開始として再度募集を行います。 詳細は、看護師特定行為研修センター令和5年度再募集要項をご確認ください。
  4. 定員

    4名
  5. 募集要項

    令和5年度 看護師特定行為研修 再募集要項
  6. 出願提出書類

    (1)受講申請書(様式1)※
    (2)履歴書(様式2)※
    (3)推薦書(様式3)※
    (4)課題レポート(様式4)※
    (5)看護師免許の写し(A4サイズに縮小コピーしたもの)
      ※様式1~様式4(Excel形式)のダウンロードはこちら

開講式・修了式

第六期生 修了式(R5.10.2)

第七期生 開講式(R5.10.2)

第七期生 開講式(R5.11.6)

お問い合わせ先

公立松任石川中央病院 看護師特定行為研修センター 坂本まで
E-mail:sakamoto-tokutei@mattohp.jp