放射線診断科

放射線診断科の概要

当診療科は2025年度より、「放射線科」から「放射線総合診療センター 放射線診断科」へと名称変更を致しました。

公立松任石川中央病院 放射線総合診療センター 放射線診断科は、地域に根ざした総合病院として、CT検査、MRI検査を中心とした幅広い画像診断と、血管造影などの画像下治療を行っております。

最新鋭の医療機器を導入し、経験豊富な放射線診断科医が、迅速かつ正確な診断と治療を提供することで、患者様の早期回復とQOLの向上に貢献します。

画像診断

当科では、放射線診断専門医によるCT検査やMRI検査の即時読影を行い、迅速かつ正確な診断と治療への貢献を目指しております。

CT領域においては、日本国内で12台目、石川県では初めての導入となる次世代型CT装置「フォトンカウンティングCTNAEOTOM Alpha)」をはじめ5台のCT装置(うち1台は健診専用)を駆使し、優秀な診療放射線技師と共に用途に応じて使い分けながら高精細な画像とSpectral Imagingなど最新の画像解析技術を用いることで、より精度の高い画像診断を可能としています。また、フォトンカウンティングCTは金沢大学附属病院に新設された膵臓がんの診断や治療の研究を担う「革新的膵がん医療研究開発センター」にも協力・活用しています。フォトンカウンティングCTについては別途放射線室のページを御覧下さい。

放射線室へ

フォトンカウンティングCTへ

MRI領域においては、20255月より最新1.5テスラMRI装置を導入致しました。「MAGNETOM Avanto Fit」は、シーメンス社の長年にわたるMRI技術と最新のテクノロジーが融合したMRI装置です。高画質でありながら、検査時間の短縮や患者様の快適性向上も追求しています。MRI装置についても別途放射線室のページを御覧下さい。

また当院は、同じ企業団に属する「公立つるぎ病院」、さらに広域医療連携協定に基づき「能美市立病院」のCT/MRI検査の読影も担っており、広域医療連携の中核としての役割も果たしています。緊急検査にも迅速に対応しております。地域医療連携室を通じて院外からの画像診断予約も随時受け付けています。

今や画像診断技術は日本の診療において欠かせない存在ですので、2024年度から在籍する初期臨床研修医や放射線科専攻医の受け入れ/研修を開始し、教育にも力を入れています。

 

画像下治療(IVR:Interventional Radiology)

当科では、IVR専門医の元、画像診断技術を応用した低侵襲治療である画像下治療(IVR:Interventional Radiology)も行っています。

経血管カテーテル治療(Vascular IVR)の分野においては、がんに対するカテーテル治療を行っています。肝細胞がんなどに対し、腫瘍に栄養を送る血管を塞いだり、抗がん剤を直接注入したりします。
その中で、肝細胞がんに対する治療として、従来の鼠径部からのアプローチによる肝動脈化学塞栓療法(TACE:Transcatheter Arterial Chemo-Embolization)に加え、2024年度から橈骨動脈アプローチ肝動脈化学塞栓療法(RAVI-TACE)を開始するなど、患者様の負担軽減に繋がる技術を積極的に取り入れています。

放射線診断科医の人数が少ないため全例応需までは難しい状況でありますが、外傷や消化管出血、腫瘍性出血などによる緊急血管塞栓術にも対応しています。出血している血管に対し、カテーテルから塞栓物質(金属コイルやゼラチンスポンジなど)を入れて止血します。
また、治療が難しい症例に対しては、金沢大学附属病院や石川県立中央病院とも連携して対応します。

2025年5月には、全身用血管造影装置が更新され、「Azurion 7 M20」が導入されました。より精密/精細な透視画像の取得と画像処理、大幅なX線被ばくの低減を実現し、更に安全かつ正確な治療の提供に貢献して参ります。

血管を介さない画像下治療(Non-Vascular IVR)としては、CT透視や超音波装置、X線透視を組み合わせた治療を行います。体の中をリアルタイムに確認しながら行うため、針やチューブを正確に目的の場所へ到達させることができ、体への負担が少ない方法でドレナージ(体液を抜く処置)や針生検(組織を採る検査)を行っています。また泌尿器科や麻酔科と連携して、小径腎細胞がんに対するRFA治療(ラジオ波焼灼療法)にも対応しています。

画像下治療・検査は、一般的に安全性の高い手技ですが、医療行為である以上、合併症のリスクがないわけではありません。また解剖学的理由/医学的理由から適応にならない場合もございます。ご不安なことや疑問に思うことがあれば、いつでもお気軽にご質問ください。

 

担当医のひとこと

医用画像領域はまさに日進月歩の進化を遂げており、我々も日々学びを止めずに邁進しています。放射線診断科は外来も病棟ももたない特殊な分野であるが故に、病院の表舞台に立つことが少ない診療科ではありますが、豊富な経験を有するスタッフと先進的な医療機器で、良質で負担の少ない画像診断を提供して参ります。

スタッフ

奥田 実穂
部長
奥田 実穂
専門分野放射線領域画像診断、IVR(Interventional Radiology)
専門医認定/資格等日本医学放射線学会放射線診断専門医・研修指導者、IVR専門医
折戸 信暁
医長
折戸 信暁
専門分野放射線領域画像診断、IVR(Interventional Radiology)、肺がん検診
専門医認定/資格等日本医学放射線学会放射線診断専門医・研修指導者・放射線科専門医、肺がんCT検診認定機構認定医師、 IVR専門医
柴山 千明
医長
柴山 千明
専門分野放射線領域画像診断、IVR(Interventional Radiology)
専門医認定/資格等日本医学放射線学会放射線診断専門医・研修指導者、IVR専門医
本南 研人
医師
本南 研人
専門分野放射線領域画像診断、IVR(Interventional Radiology)
専門医認定/資格等日本乳がん検診精度管理中央機構 検診マンモグラフィ読影認定医師
今堀 恵美子
医師
今堀 恵美子
専門分野X線診断一般、乳腺X線診断