OXRAYについて

公立松任石川中央病院 放射線総合診療センター 放射線治療科は、2011年(平成23年)2月より、石川県南部および松任・白山地域で初めて放射線治療を開始しました。翌2012年(平成24年)2月からは、高精度放射線治療のVMAT(強度変調回転照射/回転IMRT)治療を開始しています。2026年1月より、日本海側初の新型国産放射線治療装置OXRAY(日立ハイテク社製)を導入し、体幹部や脳への定位照射など、当院での治療適応範囲を広げています。

 

OXRAYの特徴

  • O-リング型ガントリー構造により、装置の回転自由度が高く、多方向から連続的に照射が可能(Dynamic Swing Arc照射)
  • ジンバル駆動式照射ヘッドと2軸独立回転機構により、複雑な腫瘍形状や複数の病巣への精密照射が可能
  • 2対の直交kV-X線イメージングシステムで、腫瘍の位置を正確に確認しながら治療を実施可能
  • 動体追尾照射に対応し、呼吸などで動く腫瘍に対しても高精度な照射が可能

臨床的利点

  • 正常組織への照射を最小限に抑え、副作用の軽減が期待できる 。
  • 者さんの寝台を動かさずに多方向から照射できるため、治療時間の短縮と患者さんの身体的・精神的負担の軽減につながる。
  • 従来治療が難しかった呼吸性移動の大きい腫瘍(肺腫瘍や肝腫瘍など)にも適用可能で、理想的な線量分布を実現できる。

Dynamic Swing Arcとは

OXRAYでは、装置が連続的に動きながら多方向から照射を行う「Dynamic Swing Arc」という方法を用いています。 従来法の1つであるノンコプラナー照射では、多方向からの照射を行うために、寝台の移動と回転を繰り返す必要がありました。これにより、治療時間の延長や、患者負担の増加につながる場合がありました。

 

OXRAYは、照射ヘッド(ガントリー部)がジンバル機構により多軸で動くことで、寝台を動かさずに多方向からの照射を実現するため、治療時間の短縮と患者さんの負担軽減につながります。

  • スムーズな照射
  • 治療時間の短縮
  • ワークフローの効率化

を実現しています。

2軸の回転機構の動画はこちら(外部リンク)

2対直交kV-X線イメージングシステムによる高精度な位置決め

OXRAYには、ガントリー部にイメージングガイド放射線治療(IGRT)が可能なシステムを装備しています。診断画像撮影と同じkVのコーンビームCT(kV-CBCT)を利用した3次元のCT画像や透視画像、単発撮影が可能で、その位置画像を利用し、日々の照射位置のズレの補正を行います。

 

通常、治療の位置決め(セットアップ)は体の表面に描くマーキングで行います。体表のマーキングだけではセットアップが不十分な時に、kV-CBCT画像を収集し、1mm以下の誤差で照射位置を補正します。

2対のkVイメージャによる高機能IGRTの動画はこちら(外部リンク)

ジンバル機構による可動的な照射

OXRAYは高性能なジンバル機構を採用しており、対象物の動きに追従しながら安定した照射を実現します。これにより、動体追尾照射が可能となり、移動する対象に対しても高精度な照射制御を行えます。また、広い照射野においても均一かつ高精度な照射性能を維持できる点が特長です。

ジンバル駆動の動画はこちら(外部リンク)

VOXELANによる赤外線レーザーを使用した体表面位置決め支援システム

当院では、OXRAYによるイメージングガイド放射線治療(IGRT)に加えてVOXELANによる体表面画像誘導放射線治療(SGRT)を行っています。体表面へ赤外線レーザーを照射することで、体表面を光学的に画像解析し、治療の位置合わせも行っています。 これにより、日々のkV-CBCTの撮影回数を減らし、該当する患者さんの被ばくを減らします。

放射線治療専用術衣「マンマウエア」

乳房照射は乳房温存手術と術後の放射線療法、それらに対する補助療法(化学療法・ホルモン療法)を組み合わせて行います。

放射線治療の際、治療台では基本的に治療部位を露出した状態で横になっていただきます。当院では女性のために乳房温存照射の放射線治療専用術衣「マンマウエア」を用意しております。
マンマウエアを着用し、放射線治療前後の肌の露出を最小限にすることで、皮膚が直接治療ベッドに接する不快感や空調による冷えを防ぎ、安心して放射線治療を受けることができます。

マンマウェアは乳房照射以外の照射にも使用出来ますが、治療の妨げになる場合は着用できませんので、詳しくはスタッフにお尋ね下さい。